2016年08月25日

折り畳み機構と走りの楽しさを高次元で両立した究極の”小さな巨人”GIANT MR4納車二年経過レビュー(1)

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「一般論として」フォールディングバイクには妥協が必要である。折り畳み構造の分重量が重くなり、剛性が落ち、折り畳み時のコンパクトさを稼ぐための小径ホイールは高速巡航性を落としてしまう。

そのため、多くのフォールディングバイクでは、 折り畳み時のコンパクトさに重点を置き、重量や剛性、高速巡航性には目をつむるといったピーキーなスペックを採用するという傾向がある。

そのような妥協を許さず、折り畳み機構と走りの楽しさを高次元で両立させたのが日本のものづくりの精神が産んだ名機、GIANT MR4だ。多くの方がご存じの通りGIANTは台湾が誇る世界最大の自転車メーカーの一つであるが、GIANT MR4は日本の老舗フレームメーカー「絹自転車製作所」にルーツを持つ自転車だ。(エイ出版社「ロードバイクオールカタログ2014」 p212参照)そのクラフトマンシップの賜物を見てみよう。

・”小さな巨人”の”骨”と”核”

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GIANT MR4を初めて見た時、多くの人はそのアイコニックなフレーム形状に驚くことだろう。一般的なロードフレームが採用するダイヤモンド型から大きく形状を変えたその独特のフレーム形状は、一目見れば忘れることのできない強烈なインパクトを持っている。そしてそれはデザインのためのデザインでなく、機能美を追い求めてできた必然的なデザインである。

このフレーム形状が意味を持つのは、言うまでも無く自転車を折り畳む時である。GIANT MR4は前輪を外し、サスペンションに付いているクイックリリース一カ所を解除するだけで小さく折り畳むことができる。

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ここで注目すべきはその折り畳み方である。一般的なフォールディングバイクは自転車を折り畳む際、少しでも小さくしようと努力するため、縦方向と横方向の両方に折り畳むようになっている。ところがGIANT MR4は縦方向にしか折り畳めない。一見すると他のフォールディングバイクと比較した際の弱点のように感じられるが、これは”折り畳み機構”と”走りの楽しさ”という相反する二つの要素を両立させるための知恵である。

”縦方向と横方向への折り畳み機構”と”縦方向のみの折り畳み機構”の比較と言うと少し難しく感じられるので、ここは例え話として傘を想像して欲しい。強い雨と風の中、外に出かけないといけないとして、普通の傘と折り畳み傘の二つがあったらどうするだろうか。 折り畳み傘は強い雨と風に対しては弱く壊れやすいことから、よっぽどの理由でもない限り普通の傘を差して出掛けるはずだ。では、どうして折り畳み傘は強い雨と風に対して弱いのか。理由は簡単で、普通の傘に比べて折り畳み用の関節が多く、それが原因で雨風に耐える剛性を確保できないからだ。

同じことがフォールディングバイクにも言える。つまり、あまりにも小さく折り畳めてしまえると、必要な剛性を確保できないのだ。もちろん、傘と違って自転車であるから、縦方向にも横方向にも折り畳めてしまう自転車が剛性不足によって壊れてしまうなんてことはあり得ない。しかし、より快適な走りを求めているのであればこの点は非常に重要であり、妥協してはいけないポイントである。当然のことながらフレーム形状は納車後に変えることができないからだ。

そしてそのフレームを陰で支えているのがこの小さなサスペンションである。

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走りの楽しさを追求するために折り畳み用の関節を一カ所に集中させたGIANT MR4だが、逆に言えば一カ所の関節にフレーム全体の衝撃が集中してしまうとも言える。そこでGIANT MR4では、サスペンションを使ってその衝撃を分散させるという工夫がされている。

このサスペンションに対しては、一般的なロードバイクを知る人からしばしば懐疑的な意見を持たれることが多い。実際、私も納車前にはこの点についての不安がよぎり、わざわざ都内のGIANTストアまで行って試乗したほどだ。結果として短時間の試乗で問題無いという判断をして購入し、気がつけば納車から二年半という状況であるが、サスペンションに関して何の問題も感じていない。むしろ、関節に対する”軟骨”の役割をしているこのサスペンションがもし無かったのなら、それこそ走りに影響したのではないかと思っているくらいである。一見して邪道のように感じられるサスペンションは、”小さな巨人”を支える重要な”核”なのだ。

さて、ポエミーな前置きが長過ぎた。一回で書き切るつもりが何回かに分かれてしまいそうだ。私のGIANT MR4に対する愛なのだと受け取って欲しい。 次回は納車当時からの変更点などを書いていきたいと思う。



【続き】
折り畳み機構と走りの楽しさを高次元で両立した究極の”小さな巨人”GIANT MR4納車二年経過レビュー(2)
http://tmo1201-blog.seesaa.net/article/442724273.html?1476193856
posted by tmo1201_blog at 20:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 自転車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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